デジタル コミュニケーションの広大な世界において、スパムほど普遍的に認識され、同時に無視される存在はありません。サイバー世界の迷惑メールとして考えられるスパムは、インターネットユーザー、企業、オンライン プラットフォームにとって、長年にわたる課題へと進化してきました。
サイバーセキュリティの文脈におけるスパムとは、主に広告、フィッシング、マルウェアの拡散などを目的として、不特定多数に向けてインターネット上で送信される、不要なメッセージを指します。これらのメッセージは多くの場合、受信者にとって無関係で不適切な内容を含みます。スパムは一般的に、望まれていないメールのことを指しますが、インスタントメッセージ、ソーシャル メディア プラットフォーム、モバイルアプリなど、他のオンライン手段を通じて送信されるメッセージにも当てはまります。
スパムの基本的な特徴は、受信者がそのコンテンツを受け取る許可を与えていないという意味で、望まれていないということです。テクノロジーとコミュニケーション チャネルの進歩に伴い、スパムの性質も変化し、デジタル時代における永続的な課題となっています。
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スパムの語源
スパムの歴史は、デジタル コミュニケーションの進化とともに歩んできました。テクノロジーが進歩し、新たなコミュニケーション チャネルが増えるたびに、スパムも一貫してそれらのチャネルへの侵入を続けてきました。以下に、その歴史を簡単に振り返ります。
「スパム」という用語は、1970年代のモンティ・パイソンのコントに由来します。このコントでは、レストランにいるバイキングのグループが缶詰肉製品の「SPAM」について歌うものでした。「SPAM」という言葉が執拗に繰り返される様子が、望まれない電子メッセージのしつこさを表す比喩として使われるようになりました。この例えは、インターネット黎明期に定着し、すぐに望まれない電子メッセージを表す代表的な用語となりました。
最も初期の顕著なスパムの事例の一つが登場したのは1978年でした。ゲイリー・サークというマーケターが、新しいコンピューターラインのプレゼンテーションを宣伝するメールを、ARPANET(現代のインターネットの前身である高等研究計画局ネットワーク)上の393人の受信者に送信しました。この行為はARPANETの利用規約に違反するとして、大きな批判を浴びました。
1980年代、Usenetニュースグループが人気を集めるにつれて、それらもスパムの標的となりました。1994年の悪名高い事例では、キャンターとシーゲルという弁護士が、彼らの移民法サービスを宣伝する投稿を大量に送り付けました。この行為は広く批判され、スパムをインターネットの主要な問題として浮き彫りにした重要な出来事の一つとして、しばしば引用されています。
スパムメールの台頭
1990年代にメールが普及すると、スパムは最も悪名高い発信手段となりました。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、スパムメールは重大な問題となり、スパム対策のために専用のソフトウェアやフィルターが開発されるようになりました。
スパムの脅威が増大したことで、複数の国々がそれを抑制するための法整備を行いました。米国では、2003年にCAN-SPAMアクトを制定し、商用メールの送信に関する全国的な基準を確立しました。これらの規制にもかかわらず、スパムは依然として課題であり続けましたが、高度なスパムフィルターやその他の対策の進化も促しました。
メールは依然としてスパムの一般的な媒体ですが、その他のインスタント メッセージ、ソーシャルメディア、ブログ、モバイルアプリを含むプラットフォームにも広がっています。今日、スパムは望まれないSMSメッセージから、望まれないソーシャルメディアの投稿まで、さまざまな形態をとっています。
長年にわたり、インターネットの領域が拡大し多様化するにつれて、スパムも同様に進化してきました。ARPANETでの単純な望まれないメールから、ソーシャル メディア上の高度なフィッシング キャンペーンまで、スパムは加害者の機会主義と適応性の両方を反映しながら、持続的な課題であり続けています。
スパムの種類
デジタル コミュニケーション プラットフォームが進化し、増加するにつれて、スパムの性質や種類も多様化してきました。すべてのスパムは望まれず、求められていないものですが、これらのメッセージの背後にある意図は大きく異なります。代表的な種類を詳しく見ていきましょう。
スパムメール
最も広く認識されているスパムの形態で、多数の受信者に大量に送信される望まれないメッセージです。これらのメールは、単なる広告のような無害なものから、マルウェアやフィッシング スキームを含む悪意のあるメール詐欺まで多岐にわたります。
SpIM
「Spam over Instant Messaging」の略で、スパムメールのインスタント メッセージング プラットフォーム版です。ユーザーは、多くの場合ボットや侵害されたアカウントから、望まれないメッセージを受け取ります。これらにはプロモーション、広告、悪意のあるウェブサイトへのリンクが含まれることがあります。
ソーシャルメディア スパム
Facebook、Twitter、Instagramなどのプラットフォームの台頭により、スパマーは新たな配信経路を見つけました。この種のスパムには、偽装アカウント、望まれないダイレクトメッセージ、スパム的な投稿コメントがあります。
サーチエンジンスパム
スパマーは、通常プロモーションや詐欺的な性質のコンテンツを表示するために検索エンジンを操作します。キーワードの詰め込みやクローキング、誘導ページなどの手法を使用して検索アルゴリズムを操作し、スパムコンテンツを検索結果の上位に表示させます。
ブログコメントスパム
スパマーは、バックリンクを生成したり、不注意なユーザーを悪意のあるサイトに誘導したりするために、無関係なプロモーションコメントをブログに大量投稿します。これらのコメントは通常、ブログの実際のコンテンツとはほとんど関係がなく、無関係なサイトへのリンクが含まれている場合があります。
SMS(テキストメッセージ)スパム
スパムメールに似ていますが、テキストメッセージで送信され、怪しい製品や偽のコンテスト、フィッシング詐欺などが宣伝されることが多いです。スマートフォンの普及により、この種のスパムは近年大幅に増加しています。
スパム電話
ロボコールとも呼ばれる、自動録音された望まれない通話のことです。製品の宣伝、賞金や宝くじ当選についての虚偽の主張、あるいは受信者を騙そうとする試みなどが含まれます。
トラックバック/ピングバック スパム
スパマーは、あるブログが別のブログにリンクしたことを通知するブログプラットフォームのトラックバックとピングバック機能を使用します。コンテンツが無関係であっても、自分のサイトへのリンクを生成するためにこの機能を悪用します。
画像スパム
テキストベースのスパムフィルターを回避するため、スパマーはテキスト(多くの場合、広告や悪意のあるリンク)を画像に埋め込みます。ユーザーがメールを受信すると、クリックまたは表示した際にスパマーのメッセージを表示したり、悪意のあるサイトにリダイレクトしたりする画像が表示されることがあります。
これら多様なスパムに直面する中で、インターネットユーザーは警戒を怠らず、企業はこうした脅威から守るための堅固な対策を講じる必要があります。各種のスパムは、潜在的な迷惑であるだけでなく、多くの場合、サイバーセキュリティのリスクも伴います。
スパムメールとは?
スパムメール(迷惑商用メール/UCE)とは、望まれない疑わしい大量広告メールを指します。最盛期には、全メールトラフィックの92%がスパムメールを占めていましたが、その大部分は悪意のないものでした。
スパマーは正規のメーリングリストを購入することもありますが、より一般的には、ウェブスクレイピングを使用してウェブ上で公開されているメールアドレスを収集します。あるいは、firstnamea@gmail.comやfirstnamea@gmail.comのような名前とドメインの組み合わせを生成することで、コンタクトリストを生成します。
スパムの成功は送信量に依存するため、スパマーはシステムを使って同じメッセージを連絡先リスト全体に送信し、誰かがクリックすることを狙います。スパマーは時に、自動メール保護フィルターを欺くため、ランダムに生成したフレーズや単語を追加して、各メッセージが異なるように見せかけます。
スパムメールの内容は通常、製品やサービスの宣伝であり、受信者が注文できるように連絡先情報を含んでいます。
スパムメールとフィッシングメールの違い
スパムとフィッシングメールは両方ともインボックスを混乱させますが、その目的とリスクには根本的な違いがあります。スパムは主に宣伝目的で、多くの場合無害であり、製品やサービスを幅広い視聴者に紹介するものです。通常、一括送信されるスパムの主な迷惑さは、その膨大な量にあり、最悪の場合でもマルウェア感染や軽微な金銭的損失程度です。
一方、フィッシングはより狡猾なものです。フィッシングメールは、受信者から機密情報を引き出すように巧妙に作られています。信頼できる組織を装うように精巧に作られ、緊急性を煽る内容で不注意なユーザーを誘い込みます。スパムが主に迷惑行為にとどまるのに対し、フィッシング詐欺に引っかかった場合の結果はより深刻で、個人情報窃盗から重大な金銭的影響、さらには大規模なデータ漏洩にまで及ぶ可能性があります。
スパムとフィッシングは両方とも望まれないメールで脅威となり得ますが、フィッシングはよりターゲットを絞った攻撃で、多くの場合より大きな脅威をもたらすため、より高い警戒と注意が必要です。
スパムの見分け方
スパムを見分けることは、潜在的な脅威を避けるために重要です。以下のチェックリストで、スパムの一般的な特徴を確認しましょう。
- 一般的な挨拶:「ユーザー様」や「お客様各位」のような曖昧な挨拶を使用するメッセージ。
- 望まれない添付ファイル:未知の送信者からの予期しないファイルやリンク。
- 誤字脱字と文法の乱れ:言語の誤り、奇妙な言い回し、一貫性のない書式。
- あり得ないほど良い話:ほとんど、もしくは全く努力や投資なしで高い報酬を約束するオファー。
- 緊急の対応を要求:「今すぐ行動を!」や「期間限定オファー!」など、緊急性を強調してプレッシャーをかけるメッセージ。
- 不一致のURL:クリックせずにリンクにカーソルを合わせて確認してください。表示されるアドレスとリンク先のアドレスが正当な場合、一致しているはずです。
- 個人情報の要求:個人情報や金融情報を求める望まれないメッセージ。
- 見知らぬ送信者:見知らぬメールアドレスや電話番号からのメッセージには常に注意が必要です。
- 登録解除オプションの欠如:正当なニュースレターやプロモーションには、簡単に登録解除できる方法が用意されているはずです。
これらの特徴的な兆候に注意を払うことで、より安全に自信を持ってデジタル コミュニケーションを行うことができます。
スパム対処法
スパムに対処するには、各メッセージングチャネルに適した多面的なアプローチが必要です。以下に、さまざまな種類のスパムから身を守る方法を紹介します。
スパムテキストを防止する方法
- 内蔵フィルターを有効化:多くのスマートフォンにはメッセージ用のスパムフィルターが内蔵されています。これらを有効に設定していることを確認しましょう。
- スパムメッセージを報告:不明な番号から怪しいメッセージを受信した場合、通信事業者に報告しましょう。多くの地域では、「7726」(SPAMのスペル)に転送することで対応できます。
- 共有に注意:可能な限り、携帯電話番号をオンラインで共有することは避けましょう。
スパムメールを防止する方法
- メールフィルターを使用:ほとんどのメールプロバイダーは、スパムの疑いのあるメールを別フォルダに振り分けるメールフィルターを提供し、メインのインボックスをクリーンに保ちます。
- 不審なリンクをクリックしない:フィルターを通過したメールでも、常に注意が必要です。不明な送信者からのリンクはクリックを避けましょう。
- 登録解除:意図せずニュースレターやプロモーションに登録してしまった場合は、メール下部の「登録解除」リンクを使用します。
- 別のメールアドレスを使用:サインアップやオンライン購入には、専用のメールアドレスを使用することを検討しましょう。これにより、主要なメールアドレスの混雑を防げます。
スパム電話を防止する方法
- 着信拒否リストに登録:多くの国では、望まれない営業電話を減らすための国家的な着信拒否登録制度を提供しています。
- 電話のスクリーニング:可能であれば、連絡先からの着信のみを許可するよう設定します。
- 電話ブロックアプリの使用:既知のスパム発信者を特定してブロックできる、多くのサードパーティ製アプリがあります。
- 望まれない電話を報告:スパム電話を受けた後、その番号を地域の当局や通信事業者に報告しましょう。
ソーシャルメディア スパムを防止する方法
- プライバシー設定を調整:ソーシャルメディアのプロフィールをプライベートに設定し、メッセージやフレンドリクエストを送信できる相手をカスタマイズします。
- リクエストの承認を慎重に行う:知人からのフレンドリクエストやメッセージのみを承認します。
- スパマーを報告:Facebook、Twitter、Instagramなどのプラットフォームの報告機能を使用して、スパムアカウントを通報します。
サーチエンジンスパムを防止する方法
- 信頼できる検索エンジンを使用:Google、Bing、DuckDuckGoなど、スパム検出アルゴリズムに優れた検索エンジンを使用します。
- 広告ブロッカーをインストール:検索結果から多くの望まれない、または潜在的に悪意のあるリンクをフィルタリングできます。
これらの方法でスパムを完全に排除することは難しいものの、これらを組み合わせることで、望まれないメッセージや電話の数を大幅に減らし、より安全で快適なデジタル体験を実現できます。
スパム対策
スパム対策は、受信するスパムの量を抑制するための包括的なオンライン行動と戦略を採用することです。以下の基本的な予防のヒントに従って、スパムへの露出と脆弱性を最小限に抑えましょう。
- 教育とトレーニング:最新のスパム手法について、自身と周囲の人々を定期的にアップデートします。知識が最初の防衛線です。
- 個人情報の保護:メールアドレス、電話番号、その他の個人データの公開共有を制限します。疑わしいオンラインフォームやコンテストに個人情報を入力することは避けましょう。
- 複数のメールアドレスを使用:個人的なコミュニケーション用のメールと、オンラインサインアップ、ショッピング、公開フォーラム用の別のメールを使い分けます。
- ソフトウェアの定期的な更新:オペレーティングシステム、ウェブブラウザ、セキュリティ ソフトウェアを常に最新の状態に保ちます。これらには、スパマーが悪用する可能性のある既知の脆弱性に対するパッチが含まれていることが多いです。
- CAPTCHAの実装:ウェブサイトやオンラインフォームを管理している場合は、CAPTCHAを使用します。これにより、自動ボットがフォームを送信したりコメントを残したりすることを防げます。
- 強力で固有のパスワードを選択:パスワードのベストプラクティスを使用することで、スパマーがアカウントにアクセスすることを防げます。パスワード マネージャーの使用を検討しましょう。
- 個人情報の公開投稿を避ける:ウェブサイト、フォーラム、ソーシャル メディア プラットフォームでメールや連絡先の詳細を公開することは控えましょう。
- プライバシー設定の再確認:プライバシー設定を見直し、調整して、ソーシャル ネットワークやその他のオンライン プラットフォームで誰があなたに連絡できるかを制御します。
- スパムへの返信を避ける:スパマーへの返信や関与は、登録解除でさえも、あなたのアドレスや番号がアクティブであることを確認することになります。
- ネットワーク ファイアウォールの活用:ビジネスやネットワークを運営している場合、適切なファイアウォールを実装することで、悪意のあるトラフィックをフィルタリングし、スパムを削減できます。
これらの予防策を日常のデジタル習慣に取り入れることで、スパムへの露出を大幅に減らし、より安全で快適なオンライン体験を実現できます。
スパムに対するソリューション
プルーフポイントの包括的なツールとソリューション スイートは、組織と個人にスパムやその他の高度なサイバー脅威に対する積極的な多層防御メカニズムを提供します。Proofpoint Email Protectionは、多くの組織のセキュリティ体制の中核であり、以下のような様々な機能と技術を通じてスパムの脅威を防止します。
- レピュテーション ベースのメールフィルター:Proofpoint Email Protectionは、レピュテーション ベースのメールフィルターを使用して、既知のスパマーを識別し、信頼できる送信者をそのレピュテーションに基づいて承認します。これによりスパムをフィルタリングし、正当なメールを通過させます。
- 高度な機械学習テクノロジー:Proofpoint Email Protectionは、NexusAIなどの高度な機械学習テクノロジーを活用して、スパムを含む様々な種類のメールの脅威を正確に分類します。この機械学習テクノロジーは、新しいスパム攻撃が出現した際に適応し、スパム検出の効果を向上させます。
- 詳細なメールフィルタリング: Proofpoint Email Protectionは、スパムや大量送信されたグレーメール、その他の不要なメールをブロックするための柔軟なフィルタリング機能を提供します。組織はメールフィルタリング設定をカスタマイズして、スパムを効果的に管理できます。
- ユーザーレポートと認識:Proofpoint Email Protectionでは、ユーザーが受信したスパムメッセージをメール画面から直接報告できます。これにより、ユーザーはスパムの検出と防止に貢献できます。さらに、不審なメールには自動的にタグを付けて、ユーザーの認識を高め、潜在的な脅威の特定を支援します。
- コンテンツ分析手法:Proofpoint Email Protectionは、独自のコンテンツ分析技術を活用し、メールの内容に基づいてスパムを識別します。これらの手法により、高い検出率と低い誤検知率を実現し、スパムメールの配信を最小限に抑えます。
プルーフポイントの高度サイバーセキュリティ対策、メール攻撃対策ソリューション、人的セキュリティ対策と組み合わせることで、組織はスパムやその他のサイバー脅威を軽減するための十分な装備を整えることができます。詳細については、プルーフポイントにお問い合わせください。