目次
今日のデジタルでつながった世界において、メールは企業や個人にとって重要なコミュニケーション ツールであり続けています。しかし、標的型攻撃の90%以上がメールを通じて行われ、サイバー脅威の主要経路となっています。
脅威の状況は急速に進化しており、プルーフポイントの2024 State of the Phish レポートによると、ビジネス メール詐欺(BEC)攻撃が毎月平均6,600万件発生していると報告されています。過去1年間で69%の組織がランサムウェア感染の被害を受けるなど、サイバーリスクが増大し続ける中、強固なメール攻撃対策ソリューションの必要性がかつてないほど明確になっています。そこで登場するのが送信ドメイン認証です。これはすべての組織が導入すべき、メールベースの脅威に対する重要な防衛線となります。
サイバーセキュリティ教育とトレーニングを始めましょう
無料トライアルのお申し込み手順
- 弊社のサイバーセキュリティ エキスパートが貴社に伺い、セキュリティ環境を評価して、脅威リスクを診断します。
- 24 時間以内に最小限の構成で、30 日間ご利用いただけるプルーフポイントのソリューションを導入します。
- プルーフポイントのテクノロジーを実際にご体験いただきます。
- 組織が持つセキュリティの脆弱性に関するレポートをご提供します。このレポートは、サイバーセキュリティ攻撃の対応に直ちにご活用いただくことができます。
フォームに必要事項をご入力の上、お申込みください。追って、担当者よりご連絡させていただきます。
Proofpointの担当者がまもなくご連絡いたします。
送信ドメイン認証とは?
デジタル世界において、送信ドメイン認証は、メールメッセージの正当性と出所を確認するために設計された技術とプロトコルの集合体です。送信ドメイン認証は、メール送信者が主張通りの本人であることを確認し、送信者のブランドとメール受信者の両方を、なりすまし、フィッシング、その他の悪意ある活動から保護します。
送信ドメイン認証のプロセスでは、メッセージの転送や修正に関与したすべてのメール転送エージェント(MTA)のドメイン所有権を検証します。この検証により、メール サービス プロバイダーはスパムやフィッシングの試みと戦い、正当なメールを判断し、最終的にメール受信者を保護することができます。
3つの主要な送信ドメイン認証方式が連携して、強固なセキュリティ フレームワークを構築します。主要な送信ドメイン認証方式には、SPF、DKIM、DMARCがあります。これらの認証プロトコルを実装することで、組織はメール セキュリティ態勢を大幅に強化することができます。
認証されたメールは、意図した受信者の受信トレイに届く可能性が高くなり、配信性が向上し、送信者のドメイン評価を保護します。さらに、送信ドメイン認証は、ブランドの偽装のリスクを軽減し、組織の顧客やパートナーに対するフィッシング詐欺の成功率を低下させます。
これらの方式は強力ですが、組み合わせて使用することで最も効果を発揮します。送信ドメイン認証に対する階層的なアプローチにより、メールベースの脅威に対する最も包括的な保護が提供されます。
送信ドメイン認証の仕組み
送信ドメイン認証は、メール送信者の正当性を確認するために複数のプロトコルが連携する多段階のプロセスです。以下が機能の仕組みを簡潔に説明したものです。
- 送信者の設定:ドメイン所有者がDNS(ドメイン ネーム システム)に認証レコード(SPF、DKIM、DMARC)を設定します。
- メールの送信:メールが送信される際、ヘッダーに送信者情報と認証の詳細が含まれます。
- 受信者の検証:受信メールサーバーが、送信者のDNSに公開されている認証レコードとメールを照合します。
- SPFチェック:サーバーは、送信IPアドレスがそのドメインのメール送信を承認されているかを確認します。
- DKIM検証:サーバーはDNSの公開鍵を使用してDKIM署名を復号化し、メールの完全性を確認します。
- DMARC評価:SPFまたはDKIMチェックが失敗した場合、サーバーはDMARCポリシーを参照してメールの処理方法を判断します。
- 判断:認証結果に基づき、受信サーバーはメールの配信、隔離、または拒否を決定します。
このプロセスは数秒以内に実行され、正当なメールが意図した受信者に届くことを保証しながら、メール セキュリティ脅威に対する強固な防御を提供します。
送信ドメイン認証の重要性
今日のデジタル環境において、送信ドメイン認証の導入は企業や組織にとって極めて重要です。送信ドメイン認証が重要である主な理由は以下です。
- セキュリティの強化:このような対策により、フィッシング攻撃やメールなりすましから保護し、メールを通じたマルウェアの配布リスクを効果的に低減し、機密情報を不正アクセスから守ります。
- 配信性の向上:適切な認証により、メールがスパムフォルダではなく受信トレイに届く可能性が高まり、メールサービスプロバイダーでの送信者評価が向上し、正当なメールがブロックされるリスクが低下します。
- ブランドの保護:送信ドメイン認証により、悪意のある目的でのドメインの不正使用を防止します。また、正当なメールのみが組織名で送信されることを保証し、メールベースの攻撃によるブランド評価への潜在的な損害を軽減します。
- コンプライアンスと法的保護:送信ドメイン認証は、さまざまな業界のメールセキュリティ規制要件を満たし、GDPRやCCPAなどの規制に準拠したデータ プライバシー保護を含む、メール運用における適切な注意義務を示す法的保護層を提供します。
- 分析とインサイト:DMARCレポートは、メール送信パターンと潜在的な悪用に関する貴重なデータを提供し、メール インフラストラクチャやサードパーティ送信者の問題を特定し対処するのに役立ちます。
- 顧客の信頼とエンゲージメント:送信ドメイン認証は受信者との信頼関係を構築し、クリック率や開封率の向上につながり、顧客が組織のブランドを装ったフィッシング攻撃の被害に遭う可能性を低減します。
強固な送信ドメイン認証対策を実装することで、組織はメールセキュリティ態勢を大幅に改善し、ブランドを保護し、より効果的な顧客とのコミュニケーションを確保することができます。
送信ドメイン認証技術(SPF・DKIM・DMARC)
送信ドメイン認証は、メール送信者の正当性を確認し、メールベースの脅威から保護するために、3つの主要な方式SPF、DKIM、DMARCを採用しています。それぞれを詳しく解説します。
SPF
SPFは、ドメインからメールを送信する権限のあるIPアドレスを指定することで、メールなりすましを防止します。SPFは承認されたIPアドレスとメールサーバーを列挙したDNSレコードを追加します。メールを受信すると、受信サーバーは送信元IPがSPFレコードに記載されているものと一致するかを確認します。
このプロトコルは、メールが正当な送信元から来ることを保証することで、フィッシング攻撃を防ぎ、メールの配信性を向上させます。SPFの利点には、ドメイン悪用の可能性の低減、送信者評価の向上、全体的なメールセキュリティの改善が含まれます。
DKIM
DKIMは、暗号署名を使用してメールメッセージの信頼性と完全性を確認する上位レベルの認証です。これにより、メールが転送中に改ざんされていないことを確認し、主張されたドメインから発信されたことを確認します。DKIMは秘密鍵を使用してメールヘッダーにデジタル署名を追加し、受信サーバーは送信者のDNSに公開された公開鍵を用いて検証します。
この方式は、SPF単独よりも強力なメールの改ざんや偽造に対する保護を提供します。DKIMは、メールコンテンツの完全性を維持し、配信性を向上させ、受信サーバーがメール内の偽造された送信者アドレスを検出できるようにすることで、メール受信者との信頼関係を構築します。
DMARC
DMARCはSPFとDKIMを基盤として構築され、認証失敗の処理方法をドメイン所有者が指定できるフレームワークを提供します。DMARCにより、送信者は認証チェックに失敗したメールの配信、隔離、または拒否について、メール プロバイダーに指示することができます。また、ドメイン所有者は自身のドメインを使用して送信されたメッセージに関するレポートを受け取ることができ、メール認証の実践を監視し改善するのに役立ちます。
DMARCはSPFとDKIMチェックに失敗したメールの処理方法を指定するポリシーをDNSに公開します。その利点には、フィッシングとなりすましに対する強化された保護、メールストリームの可視性向上、組織全体で一貫したメール認証ポリシーを適用する能力が含まれます。
これら3つの方式は連携して、強固な送信ドメイン認証システムを確立します。SPFとDKIMが基本的な認証チェックを提供する一方、DMARCはポリシー適用とレポーティングの追加層を提供します。3つの方式すべてを実装することで、メール セキュリティが大幅に強化され、ブランド評価が保護され、メールの配信性が向上します。
送信ドメイン認証の設定方法
送信ドメイン認証の導入は、組織のメールコミュニケーションを保護する上で重要なステップです。以下が効果的な送信ドメイン認証システムの設定ガイドです。
- 現在のメールインフラを評価:マーケティング プラットフォーム、CRMシステム、サードパーティ サービスを含む、すべての送信元を特定します。メール送信ドメインとサブドメインをマッピングします。
- 導入アプローチの選択:認証プロトコルを自社で導入するか、マネージド サービス プロバイダーを利用するかを決定し、この決定の際には社内の専門知識とリソースを考慮します。
- SPFから開始:通常、設定が最も簡単なSPFから導入を始めます。SPFレコードを作成し、ドメインのDNSに公開します。
- DKIMの導入:DKIM鍵を生成し、送信メールに署名するようメールサーバーを設定します。DKIM公開鍵をDNSに公開します。
- DMARCの展開:メール配信に影響を与えずにデータを収集するため、監視ポリシー「p=none」から開始し、初期のDMARCレコードをDNSに公開します。
- 設定のテスト:メール認証テストツールを使用して設定を確認します。テストメールを送信し、認証結果を分析します。
- 監視と分析:DMARCレポートを受信・分析するシステムを設定し、これらのインサイトを活用して認証ポリシーを改善します。
- ポリシーの段階的な強化:設定が安定したら、監視モードから本番モードに移行します。DMARCポリシーをp=noneからp=quarantine、最終的にp=rejectへと段階的に強化します。
- チームの教育:関連スタッフに送信ドメイン認証の原則とベストプラクティスについて研修を行い、チームがこれらのプロトコル維持の重要性を理解していることを確認します。
- 維持と更新:メールインフラの変更に応じて認証レコードを定期的に確認・更新し、メール認証技術の動向について最新情報を収集します。
送信ドメイン認証のベストプラクティス
送信ドメイン認証システムの効果を最大限に高めるため、以下のベストプラクティスに従いましょう。
- 定期的な監視と分析:認証レポートを定期的に監視し、傾向を分析します。認証結果の突然の変化や異常を検知するアラートを設定します。
- 定期的なポリシーの確認と更新:SPF、DKIM、DMARCのポリシーを少なくとも四半期ごとに確認し、メールインフラや送信実践の変更を反映してポリシーを更新します。
- 包括的なカバレッジ:すべてのドメインとサブドメインが認証プロトコルで保護されていることを確認します。トランザクション メールや自動送信メールの認証も忘れずに行います。
- 厳格なSPFレコード:未承認の送信元を明示的に拒否するため、SPFレコードで「-all」を使用します。SPF保護を弱める「+all」や「?all」の使用は避けます。
- 定期的な鍵のローテーション:セキュリティを強化するため、DKIM鍵を定期的に(例:6-12ヶ月ごと)ローテーションし、メールフローを中断せずにスムーズな鍵の移行を行うプロセスを実装します。
- アラインメントの最適化:「From」ドメインとSPF、DKIMドメインの適切なアラインメントを確保します。DMARCの効果を最大化するため、SPFとDKIMの両方のアラインメントを目指します。
- サードパーティ送信者の管理:組織に代わってメールを送信するすべてのサードパーティ サービスの一覧を維持し、これらのサービスと協力して、ドメインを使用したメールを適切に認証することを確保します。
- フィードバック ループの実装:主要ISPとフィードバック ループを設定してスパム苦情のレポートを受け取り、この情報を活用してメール運用と評価を改善します。
- 情報収集と適応:最新のメール認証基準とベストプラクティスについて情報を収集します。新しいプロトコルやアップデートが利用可能になった時に実装できるよう準備します。
- 文書化とプロセス管理:メール認証の設定とポリシーの詳細な文書を維持し、認証レコードの変更に関する明確なプロセスを確立します。
これらのベストプラクティスは、組織が送信ドメイン認証システムを確立し、メールセキュリティ態勢を大幅に強化し、ブランド評価を保護するのに役立ちます。
送信ドメイン認証ソリューション
プルーフポイントは、送信ドメイン認証の導入を簡素化・効率化する業界最先端のソリューションを提供し、特にDMARC導入を重視しています。Fortune 1000企業において、競合他社5社を合わせた数よりも多くの企業から信頼を得ているプルーフポイントは、メールコミュニケーションの保護を目指す組織に包括的なサポートを提供しています。
Proofpoint Email Fraud Defenseソリューションは、メールチャネルを保護し、ビジネス コミュニケーションへの信頼を回復するのに役立ちます。DMARC認証を簡素化し、メール詐欺を阻止し、信頼されたドメインを保護します。このソリューションは、基本的なDMARCの導入にとどまらず、サプライヤーの詐欺リスクに関するインサイトを提供し、ブランドになりすもうとする類似ドメインを検出するための包括的なドメイン検出を提供します。
プルーフポイントでは、DMARCの導入プロセス全体を通じてサポートする世界クラスのコンサルタントにアクセスできます。彼らの専門知識は、すべての正当な送信者を特定し、適切な認証を確保し、有効なメールをブロックすることなくDMARC拒否ポリシーを公開するのに役立ちます。また、プルーフポイントは、SPF、DKIM、DMARCのホスト型認証サービスを含む最先端のテクノロジーを提供し、管理を効率化してセキュリティを向上させます。さらに、プルーフポイントのソリューションは、業界をリードするセキュア メール ゲートウェイとシームレスに統合され、メール セキュリティに対する包括的なアプローチを提供します。
プルーフポイントとのパートナーシップにより、組織は送信ドメイン認証の複雑さに自信を持って対処し、ブランド評価を保護し、重要な顧客コミュニケーションの配信性を確保することができます。詳細については、プルーフポイントにお問い合わせください。